10月16日、17日に開催されたのとじま手まつり。
お天気にも恵まれ、過去最高の来場者で賑わいました。
公式発表は2日間で8000人!
Weランドのだだっ広い芝生広場が、手まつりを始めた1、2年目はやけに広く感じたものですが、人で埋まっているのをみると感慨深いものがありました。

といいつつ、私は今年も恒例の飲食ブースで汗だくでした。
某キャンプ場管理人さん家族と陶房独歩炎さん家族と一緒に「どっぽランド室」で出店。
今年は炭火で焼く"肉巻きおにぎり"と"いしり焼き鳥"をしたのですが、、
2日間ともお昼には行列ができその後2時間で完売・・
炭の前での作業に疲れ、あんまり他のクラフトブースを見る余裕がなかったと撮った写真を見て気づきました。

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こんなにのんびりしている人達もいたのに・・

ともかく、一応主催する側の1人として無事終わってほっとしております。

会場の様子は手まつり公式ページにアップされていますのでご覧ください。

http://www.tematsuri.com/cat17/2010_3.html





普段商品開発のお手伝いをさせて頂いている時計メーカー、タカタレムノスから2つの新商品のお知らせ。
どちらも木という題材を扱った形の時計ですが、その表情はそれぞれに個性的です。

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安積朋子さんがデザインした「cube」。
木のブロックを模したアルミ鋳物による製造ですが、今までのアルミ鋳物というイメージを感じさせない、暖かみのある商品になりました。
商品の印象は柔らかいですが、製造方法はとっても頑固。
キューブの6面すべてに杉の木目を模した凹凸が入り、尚かつ中は空洞で鋳造には中子(なかご)という別パーツが必要となります。
とにかくこの形状をアルミ鋳物でつくるのはとっても難しいのです・・
製造している鋳物の型をご紹介(していいのかな?ダメだったら言ってください・・)。

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まるでピラミッドのように砂の型に埋め込まれた「cube」の型。
木目の一本一本が上下の型からスムーズに外れるような傾斜をつくってあるのです。
自然の木の木目は当然そんな鋳物の都合を考えた傾斜はついていません。
なので、すべての木目を鋳物の型に合わせた傾斜を付けながら再現することに・・
塗装もしてあるのでぱっと見はアルミでできているとは分からないかも知れません。

cube
http://blog.lemnos.jp/?eid=97111


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そして五十嵐久枝さんデザインによる「cake」
厚みのある無垢のタモ材をくり抜いて時計の枠にした、とても贅沢な時計です。
思わず手に取りたくなる木の表情はオイルフィニッシュならではのもの。
今までの商品開発の中では、塗装行程の手間や、汚れに対する消費者の認識の違い等、つくり手や売り場の都合から避けられてきたオイルフィニッシュですが、常に木を生かしたデザインをされる五十嵐さんのお陰で、従来のやり方から一歩踏み出すことのできた時計です。

cake
http://blog.lemnos.jp/?eid=97108


お二人のそれぞれの「木」の時計。
是非お店で手にとってみてください。




誰のためのデザイン?--認知科学者のデザイン原論
ドナルド・A. ノーマン (著)






来週末16,17日に行われるイベント「のとじま手まつり」のプレイベントを行いました。
当日の本部と子供達の体験ブースに使用するための竹ドーム、スター★ドームの制作です。

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まずは切り出した竹をダンプで運びました。7m弱の真竹。
ロープ一本で竹をしっかり固定する某キャンプ場の管理人さんの技。勉強になります。

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スター★ドーム公式ページで購入した「孟宗竹用竹割器」の威力。
公式スター★ドームは孟宗竹で作るんですね。。

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竹の絨毯。墨入れして、連結していきます。

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あっという間にお昼。
一部のメンバーがドームづくりよりも力をかけて作った流しそうめんです。
能登島のカフェ「なごみ茶屋」の白山さんが作ってくれたそうめんと新米おにぎり、しばたけのお汁を頂きました。

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子供達も大喜びの流しそうめん。

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ロン・ミュエックの作品?ではなくスター★ドームの模型に捕われたうちの関取。
模型は高畑圭介さんが作ってくれたものです。

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気を取り直して組み立て作業。
前回試作した時には竹が割けてしまったのですが、今回は慎重に。

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今回のドームはでかい!です。
円周24m、中心の高さ3.8m。

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今回は欲張って2個も制作してしまいました。
皆様お疲れさまです。
手まつり最終日には2個のドームをくっつけてスター★ボールにしてWeランドの芝生広場に転がして遊びたいなあ・・


来週16,17日は全国から80組のクリエイターが能登島に集結するイベント。
クリエイターズマーケット2010のとじま手まつり
に是非遊びにきてください!

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宇宙船地球号操縦マニュアル (ちくま学芸文庫)
バックミンスター フラー (著)





2010年10月 8日

脱穀

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稲刈りも大変ですが、なにげにかなり大変なのが脱穀の作業。
今年は天気がコロコロと変わる中、雨の合間の晴れの日に急遽作業を決めました。

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藁をまとめる為の藁で作る縄。
ばあちゃんがその場で作ってきます。
毎年作り方を習うのですが、毎年しっかり忘れています・・体で覚えねば。

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ハザ干ししていた田んぼから脱穀作業を行う納屋まで軽トラで稲を運びました。
軽トラ満杯に載せて2往復。

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ばあちゃん達とアイスクリームでしばし休憩。
接待はうちの関取。

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作業再開。
まとめた稲の束を手で直接コンバインにかけて穂から実を外します。
藁の束は一部保管して来年の稲刈りに使用します。

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実を籾殻をはずす機械にかけると玄米になってでてきます。
機械の主は大家さんのじいちゃんです。
今年は30Kg6袋と26Kg、昨年よりは若干少なかったですが上出来。
籾殻はまとめて畑にもっていき肥やしにします。

ところで我が家は現在、米は玄米で保存していますが、時間が経つにつれて味が落ちていくのは避けられません。知り合いの農家の方は籾殻を取らずに保管しておいて、食べる前に籾から擦る"今擦り米"を食べておられましたが、籾スリから精米まで一気にできる家庭用の脱穀精米機なんてあったら即欲しいんですけど・・

もしくは自宅用だけであれば昔のやり方で唐簑で籾殻を外して精米機だけなら家庭用のものを使えばいいか、
いかにこの新米の味を長持ちさせられるかと思うのです。




究極の田んぼ
岩澤信夫





2010年9月29日

大畠 裕展

前回に引き続き展覧会情報。
毎年この時期に新宿の椿近代画廊で行われている、大畠 裕さんの個展です。

http://www.tsubaki-kindaig.co.jp/exhibit.html

大畠 裕展
建築家 白井晟一設計の建物のフロッタージュ
2010年9月27日(月)〜10月9日(土)
椿近代画廊
11:00-18:30 (日曜休廊)

大畠さんともヴェネツィアでの出会い。
壁や地面のフロッタージュをライフワークにしている大畠さんがヴェネツィアでの制作で滞在した際、制作風景の撮影を依頼され、制作に日夜同行したことがありました。
ヴェネツィアの観光エリアから外れた地区で4m四方のキャンバスを道ばたや人の家の壁に構わず広げてひたすら擦るという大畠さんの行動に住民が怪しんだり、時には警官が停めに来たことも・・
大畠さんはイタリア語がしゃべれないので必然的に僕がすべてのトラブルの間に入ることになり四苦八苦したのですが、それにも増して大畠さんの作品には圧倒されました。
自身で継いでつくった巨大なキャンバスに自作の特殊な接着剤を付け、狙った壁や地面にキャンバスを配置し、4つ角に釘を打って固定すると数種類のローラーでくまなく擦り付けます。
すべての面を擦り終えるとキャンバスを剥がし、そこで剥がれ落ちた壁の土を採取して持ち帰るとその後はアトリエでの作業。キャンバスに写し取った壁のテクスチュアや色の上にさらに採取した土等を定着させて完成させるのです。
壁が作られたときから刻まれてきた、時を写し取ったかのようなキャンバスの表情は、作家の自己表現というよりは壁の記憶を残す媒体として存在する意味があるものになっている気がします。



ミラノのデザイナー細江勲夫さんの事務所を訪ねられたのも、文化人類学者の山口昌男さんを知ったのも大畠さんのお陰でした。
山口昌男さんが札幌大学の学長だった時に親交があったそうで、大畠さんの作品のことを書いた文章がありました。
http://www.sapporo-u.ac.jp/gallery/yutaka/contents.html


「敗者」の精神史
山口 昌男



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