2014年2月14日

植木選び


庭木を探しに施主さんと押水グリーンセンターに行ってきました。
能登デザイン室では建物から庭の設計までを一緒に考えて提案させて頂いています。
庭の設計の方は妻の担当なので植物の知識はほぼゼロの私。

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今回の目当てはシンボルツリーとなるイチョウの木。
5mにもなる木は樹齢20年ほどだそうです。

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見かけによらずとてもフレンドリーで気さくな社長。
植物のこととても詳しく説明して頂きました。
イチョウはとても強い木で根元から幹を切ってしまっても枯れずに横から脇芽がでてくるのだそうです。
雌雄の判別の仕方、銀杏をとるための木の育て方など普段は知らないことばかり。

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ソヨゴという木も枝葉のつき方がそれぞれ違います。
注意して見出すと当たり前ですが千差万別、植物との出会いに時間を忘れて広い敷地内を見入ってしまいました。

我が家に植える木も考えながら廻っていたのですが、
いかんせん季節的に花も葉っぱもないものが多く、なかなか植えた後のことを想像するのが難しくもありました。
何回か通って目を慣らす必要がありそうです。






2013年12月 9日

畳表

自家製藁2年分で作ってもらった畳床。
今度は畳表の作業です。

今回畳の制作をお願いしたのは、七尾市内にある松本製畳さん。

私達の、無謀な藁持込み計画を心良く承諾してくれた、好奇心溢れる畳屋さんです。

そして、畳表もせっかくなので手縫いしましょう!というご提案を頂き、さらには家族全員で縫ってみませんか?というお話も。

松本製畳さんでも、今では手縫いをすることはほとんどないそう。
そのため、職人学校でその技術の習得をしているのだとか。

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まずは、畳床のサイズを切り揃えます。

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畳表となる国産い草に、しっかりと折り目を付けていきます。

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畳表を畳床にのせ、仮止め。


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そして、縫う作業が始まります。
畳床は藁がかなり圧縮されて出来ている為、とっても堅いのです。
そこで、こんな道具がありました。
太い針と、手の平に梁が食い込まない為のクッション。

これを使ってまずは四隅から縫い始めます。
そこを、私達家族がさせて頂きました。

子供達と。
職人さんの指導のもと、父親が縫い、長男が叩く。
次男は見るだけ。

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かなり大変な作業の、ほんの一部だけを手伝わせて頂きました。
とても良い記念。

この畳が工事の大詰めに現場にやってくるのです。


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道具に惚れ惚れ。


2013年11月 9日

畳床


我が家にも一応小さい4畳半の和室を作りました。
そこに敷く畳を自分達の田んぼの稲藁で作ろうと、刈った稲藁の束を倉庫に乾燥させておいたのですが、
設計が進まずに倉庫には2年分の稲藁がたまり、3年目にしてようやく念願の畳制作です。

七尾市鵜浦町にある松本製畳さんに相談したところ、
藁持ち込みという我がままも快く了解して頂けました。
県内でも藁床を作れる機械があるところは少なくなってしまったということです。

今回は畳の芯になる畳床(たたみどこ)を作ります。
畳はご存知、表(おもて)と床(とこ)それと縁(へり)からできていますが、
どれも簡略化され品質は落ちる一方。
床の主流はスタイロフォームの芯を木質ボードで挟んだものだそうです。
少し品質のいいものはスタイロの芯を藁で挟んだもの。
昔ながらのオール藁の床はほとんど制作していないらしく、
事務員の方達も珍しがって見に来ていました。

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ベルトコンベアの上で藁を縦横5層に敷き詰めていきます。
二層並べた後に機械で細切れにした藁も撒いて密度を高めます。


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藁の並べ方チェック。
掛けてある藁の乾燥も十分そう・・。

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均一な厚さになるように並べます。

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機械でもう一列重ねられた稲藁、
この時点で厚みは約30センチ、これを5センチの厚みまで圧縮します。

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圧縮した藁を機械が一気に縫い上げていきます。
両端には角の補強のためゴザが一緒に縫い込まれます。

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縫い上げると同時に側面の幅を決めて余分を切り落としていきます。

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長さ方向も機械が自動で寸法を出しカットします。
年代物の機械なのになかなか優秀です。
これ一枚で30キロの重さ。

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圧縮された藁の断面、藁床の畳は弾力があって座り心地もいいそうです。

次回は表(おもて)です。



2013年10月27日

雨樋


雨樋は設計前からずっとつけまいと思っていました。
奇麗に並んだ日本瓦の軒先を隠すなんとなく邪魔なものという位置づけでした。
そして、一枚一枚の瓦の谷間から垂れる雨だれも風情があっていいだろうと。
そんな思いがかなり強かったので、屋根ができた時も大工さん、板金屋さんに散々言われても「雨樋はつけません」と平然としていたのですが、今シーズン台風時期に何日も続いた大雨。

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大雨の日に大工さんが現場に来て屋根を見てみろと嬉しそうに電話をかけてきました。
土砂降りの中現場に来てみると、瓦の間から滝のように水が一直線に下屋の屋根の上を叩き付けていました。
養生に屋根の上に貼っていた紙のボードは見る見るうちに穴があいていきます。
「3年もすれば下屋の屋根の塗装が剥げる」と板金やさんにとどめを刺され、雨樋をつける決心をしました。

明かりとりに屋根の一部に穴を開けていたのですが、そこの垂木も一本一本板金でガードすることに。

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そしてつけるならばこれしかないと思っていた、タニタのガルバリウム鋼板の雨樋を付けました。

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下からの見た目もスッキリ一直線!
色は敢えて金属色のシルバーです。

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鋼板製なので頑丈かつ固定金具が上側についているので、下からの見た目がとてもシンプル。
集水器の形状も奇麗です。

これを付けたとたんに雨がピタリと降らなくなりました。
雨樋をつけると雨の日が待ち遠しくなるとは思いませんでした・・



2013年10月24日

能登仁行和紙

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輪島三井の山奥にある紙漉き工房を訪れました。
太鼓橋を渡った向こうにあるのがその工房。

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橋のたもとには穫りたてのかぶが置かれていました。

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中では遠見さん親子が黙々と紙漉きをしていました。

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漉いた紙を乾かす特注の壁。

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下から薪をくべて鉄板を温めています。

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貼付けられた和紙

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さまざまな和紙。
田の土を漉き込んだもの、輪島塗の下地に使われる"地の粉"珪藻土を漉き込んだもの、
能登の杉やヒバの皮を漉き込んだもの等々。
どれも自然の色がとても優しい風合いをしています。
和室の壁紙をどれにしようか・・と悩みます。

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大胆に季節の植物を漉き込んだ和紙が貼られた遠見さんの部屋。

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