酵母が住む家

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最近天然酵母でのパン作りに若干はまっている。
レーズンに付着している菌をアルコール発酵させてエキスをつくり、
その発酵エキスをもとに小麦と水の栄養を与え、一定の温度下において酵母をつくっていく。
その酵母と、小麦をまるごと粉にした全粒粉を捏ねてパンを作るのが楽しい。

ところがレシピ通りに作ろうとしても本に書いてあるようには全くうまくいかない。
目に見えない酵母の働きは予想がつかない。小麦と温度と水の加減はちょっとの差で大きく変化する。
家庭用のオーブンでは火力も安定しないので、この場所での最適な作り方を見つけなければならない。
それでも、しかし下手にできたパンでもそれなりに美味い。

酵母は生き物なので、小麦と水の栄養を与え、掛け継ぎして発酵力を維持していかなければならない。
かといって増やしすぎても家庭ではそんなに消費できないのでそのバランスをとるのも難しい。
半年ほど継続して酵母を生かしてあげれば発酵力も安定していくのだとか、
要はその環境に適した酵母ができあがっていくということらしい。
スタッフのゆきちゃんに聞いた話ではそのうち家に酵母が住み着いて、その家に合った酵母が増え易い環境になっていくのだとか・・。

そう思うと、この家は自分達の家だけでなく酵母にとっての家ということにもなってくる。
一つ屋根の下、酵母と共生している家だと思うとなんだか気持ちも膨らんでくる。
酵母にとっていい環境にしてあげる必要もでてくる。
納豆を食べたら酵母が納豆菌に負けやしないかとも少し気になっている。





よくよく天然酵母のパンを知ったのは信州上田にあるルヴァンに行ったのがきっかけ。
ガラス作家の有永浩太さんのルヴァンでの個展を見に行った際、ランチに頂いたパンを当時一歳だった長男が際限なくほおばって食べていたのが懐かしい。

http://www.notodesign.jp/blog/2011/06/post-101.html

ちなみに現在金沢のあうん堂さんで週二日だけshiho cafeをしている有永史歩さん。
お陰で金沢でもお取り寄せのルヴァンのパンを食べることができるのです。





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