2014年3月16日

農と建築

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いよいよ今年も農作業が始まりました。
能登島曲町に越してきて、初めての集落全体での作業。
曲町にある箱名の棚田は中山間地域の農業の継続と景観の維持に対して交付金を交付されており、
そのための作業を毎年数回集落全体で行なっているのです。
棚田は軽トラの大集合、ちなみに僕らが去年から借りている田んぼもこの中にある一枚です。。

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長い草を刈っていく人、次々と枯れ草に火をつけていく人、火が山に広がらないようにコントロールする人、
誰が指示するわけでもなく、皆が分担して作業を行っていきます。
初めての参加は自分が何をしたらよいか、少し戸惑いました。

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風が強いので火は一気に燃え広がるところもありました。
これだけの人数と経験ある人達がいるからこそできる作業です。

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こちらは借りている田んぼ、見事に畦の草が焼き払われています。

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田んぼの中を覗くと去年刈り取った稲から稲穂がでていました。
土地に栄養があるからでしょうか、ここ箱名は谷間で豊富な山水が途切れず流れ込んでいます。
上流の腐葉土から栄養が滲み出て田んぼに注いでいるのかなとも期待します。

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ところで今回から本ブログのタイトルを"農と建築日誌"としてみました。
農的建築もしくは建築的な農業というものがあり得るのではないかと、そんな期待もこめて。
集落全体での農作業が里山の景観を作っていると実感できたこと(そんな風景を作るための作業だと思うと、草刈りひとつにしても外部からの視線を意識するようになりデザイン的視点が必要だと感じます)、
今年からは腰を落ち着けて本格的に農作業にも取り組もうと思ったことなどが重なりました。

ちょうど先日、大分県下郷村の豆岳コーヒーさんから「雲与橋(うんよばし)」というフリーペーパーが届きました。
昨年下郷村を訪れた際、雲与橋を編集している人達と会い、いろいろな話を聞かせてもらったことは少なからず影響を受けたように思います。

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2014年3月 1日

革工房 外壁塗装

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今回の革工房は施主さん一家皆さん職人で手作業を厭わないということで、
塗装に関してはセルフ施工して頂いています。
自分達の工房づくりをやれるところは自分達の手で行なうということと、少なくない施工費の節約にもなっています。

ひと言で塗るだけと言っても実際にはかなりの丁寧さと根気が必要です。
何しろ外壁だけでも塗る面積はかなりのもの、
そしてさらに施主さん達のこだわりによって梁、垂木と外壁の板を別の色で塗り分けることになりました。
これは外注ではかなりのコストアップになってしまうことなので、設計事務所としてもなかなかやろうとは思えないことです。

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この日は旦那さんとそのご両親の三人、既に慣れた手つきで見る見るうちに壁が塗りつぶされていきます。

よくみると、お母さんが手にしている筆の細いこと。
マスキングしたキワを丁寧に塗っていらっしゃいました。

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こちらが塗り終えた側の外壁。
見事に塗り分けがされていて梁、垂木と外壁のコントラストが眩しいです。

足場をとって全体を眺める日が楽しみです。

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2014年2月28日

薪ボイラー

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我が家の暖房は薪ストーブ、どうせふんだんに薪を集める必要があるならと、給湯熱源にも薪ボイラーを導入してみました。
燃焼室の上に貯湯槽があり、温められた貯湯槽の中を水道の管が通ることで熱交換が行なわれ、お湯が供給されるという仕組み。
貯湯槽は断熱材に囲まれており熱が冷めづらいので一度薪を燃やすとしばらく暖かいお湯が使えます。
薪で温めたお湯だからかは分かりませんが、お風呂もとっても暖まります。

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燃焼室に送風パイプも装備してあるので、多少生木でもガンガン燃えてくれます。
間伐材が豊富な地域ではとっても経済的で、間伐材を使用することで山の整備の一躍も担える優れもの。

欠点はといえば、火がない時にすぐにお湯がでてこないことでしょうか。
冬の寒い朝、朝食後の皿洗いを想像し、怠け心に負けてついつい小さい灯油ボイラーを並列で付けてしまいました。
結果それはそれで助かっていることではあるのですが、晩に焚いた薪ボイラーの熱が翌朝まで残っていることもあり、30度くらいのお湯がでてきたりするので本当に寒い冬日以外は灯油ボイラーを使うことはないのかなというのが実感。かなりの熱効率の良さを実感しています。

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完全燃焼なので煙も少なくて気になりません。都会では無理でしょうが・・
不満はといえば、煙突の径がø200で既製の煙突が使用できないこと、既製の煙突も使える大きさにしてしておいてくれれば、断熱二重煙突も使用できてさらに効率が良くできるのに。。

さらにここは井戸水なので、井戸から水をあげるポンプの電源だけでも自前で賄えたら、災害や停電時にもライフラインが確保できると考えているのですが、200Vの電源を確保できるだけの自家発電装置はどうしたら作れるのか、今後リサーチしてみたいと思います。

薪ボイラーを導入したことで島のひょっこり温泉に行く回数が激減したのは経済的には助かりますが、
若干さみしくもあります。


エーテーオー株式会社 ウッドボイラー





2014年2月22日

革工房の天窓

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革工房の真上に天窓がつきました。
天井から降ってくる光はとても明るく、劇的な印象を与えます。

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天窓がついた屋根はひときわ高く、天井はアーチ上に張ることでその下にすっぽりと包まれた空間に上から光が落ちてくることになります。
その下には革職人にとって大事な作業をするテーブルがひとつ置かれる予定です。

革工房に大きな革が届き、まず最初にするのは大きな一枚の革から様々な用途を考えて革を切り分けていく大事な作業です。
板前さんのまな板のような、自然の命を頂く、言うなれば神聖な場所。
そんなイメージを持ってこの空間を考えました。

イメージした空間が徐々に出現してくるのを見るのは、
楽しみでもあり、怖くもあります。





2014年2月14日

植木選び


庭木を探しに施主さんと押水グリーンセンターに行ってきました。
能登デザイン室では建物から庭の設計までを一緒に考えて提案させて頂いています。
庭の設計の方は妻の担当なので植物の知識はほぼゼロの私。

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今回の目当てはシンボルツリーとなるイチョウの木。
5mにもなる木は樹齢20年ほどだそうです。

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見かけによらずとてもフレンドリーで気さくな社長。
植物のこととても詳しく説明して頂きました。
イチョウはとても強い木で根元から幹を切ってしまっても枯れずに横から脇芽がでてくるのだそうです。
雌雄の判別の仕方、銀杏をとるための木の育て方など普段は知らないことばかり。

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ソヨゴという木も枝葉のつき方がそれぞれ違います。
注意して見出すと当たり前ですが千差万別、植物との出会いに時間を忘れて広い敷地内を見入ってしまいました。

我が家に植える木も考えながら廻っていたのですが、
いかんせん季節的に花も葉っぱもないものが多く、なかなか植えた後のことを想像するのが難しくもありました。
何回か通って目を慣らす必要がありそうです。






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