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不連続ながら、飽きっぽい管理人の性格を不思議と反映せずに細々続いている当ブログです。
どうぞ今年もよろしくお願いいたします。



2011年12月28日

天竜、伐採ツアー

前回に引き続き、天竜の伐採ツアーに参加して参りました。天竜までは車で7時間となかなか遠いです。
前日入りして、地元の関係者の方々の忘年会に混ぜて頂き、
榊原商店さんのログハウスに宿泊(久々の雑魚寝状態)させていただいての参加でした。

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それにしても・・
太平洋側は見事な冬晴れ(という言葉があるそうです、北陸では聞いたことがない)気温はさすがに寒いですが、お天気の良さにはびっくりしました。何しろ能登を出発したときには雪が舞っていましたから。
お月様もばっちり、下弦の月です。
下弦から新月にかけての時期の伐採が良いのだそうです。

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天竜のでこぼこ山道を車でぐるぐると登ることしばらく。
伐採が行われている森の中へと到着しました。
驚いたのは森への光の差し込み具合。
適度な間隔を置いて育っている木々の間から太陽の光が海の中にいるように降り注いできていました。
人の手で手入れの行き届いた森の風景を初めて見させてもらった気がします。

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一緒に参加した大学の先輩で浜松の建築家?木昭良さんと一緒に檜の木をチェーンソーで伐らせて頂きました。
このチェーンソーの切れること・・スーっと刃が木の幹に吸い込まれていきました。

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幹の半分以上を切った後で、楔をハンマーで打ち込んでいきます。

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この時は楔では倒れず、ワイヤーを使って引っ張ってもらうと、
すごい地響きとともに大木が目の前で倒れていきました。

その時の木が割れる音の凄まじさが忘れられません。
自分が生きてきた年数よりも長くその場で育ってきた植物を、
人間の都合で倒してしまうという理不尽さを図らずも感じました。

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その日の締めくくりは、樹齢100年を超えるもみの木の伐採。
職人さんがしめ縄をして、お酒を供え、皆で手を合わせてから執り行われました。

この日倒した木は葉枯らし乾燥といって、枝葉をつけたまま一冬その場に置いておき、 自然に乾燥させて幹の水分量を少なくしておきます。そして冬があけたら枝を落として山から運び出し、また丸太の状態で乾燥させます。 その後製材し、さらに乾燥させるという気の長い作業の末、ようやく建材として使用できるという手間暇のかかりようです。

残念ながら現在では効率とコストを重視するために日本のほとんどの山では葉枯らし、天然乾燥はされていません。主流なのは伐ったその場で枝葉を落とし、すぐに製材して人口乾燥機で水分量を急激に落とし、早ければ2週間で建材として使われることもあるということです。そうやって急激に乾燥させた材は内部に割れが生じ、強度も自然乾燥のものに比べ格段に落ちるのだそうです。
強度が落ちた材は、昔の日本の大工技術である仕口や継ぎ手を作って木組みを組んで作る建築には不向きな材料となるため、金物を使用して固定する方法が現在では一般化しているという状況です。既にそれが日本の建築工法のスタンダードとなってしまった今となっては、マーケットが固定化し、法律も金物を使用しないと建てられないような状況が作られ、ハウスメーカーの価格競争がそれに拍車をかけるという悪循環。
そんな、現代の住宅事情の陰に隠れて影響を受けざるをえない、山の管理の問題なども垣間見える貴重な体験でした・・


天竜で新月伐採、葉枯らし天然乾燥を始めた榊原商店の榊原さんが、
これを読んで新月伐採を始めるきっかけとなったというオーストリアの製材屋さん、エルヴィン トーマさんの本。


木とつきあう智恵
エルヴィン トーマ (著)



2011年12月24日

えの目漁港

先日、姪っ子のお食い初めに使う鯛を買うため、久しぶりに目の前のえの目漁港に早起きして行ってきました。
雪がちらつく寒い朝でしたが、クリスマス、正月前だけあって漁港は活気づいていました。
この日大物はあまり揚がっていないようでしたが、十分な大きさの鯛と鯵をゲットしました。

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よく見ると、うちの大家さんの姿も!

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新鮮な鯵を刺身でなくフライにするのがこれまた贅沢なのです。

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このおっきいのは・・、スズキさん。

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軽トラに積んだバケツからタラが頭を出していました。

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以前書いた気もしますが、えの目漁港のレジ。
漁港の方が目方を量ってチェックしてくれます。
金額はその日の市場で決まった値段がつくようです(確か・・)。いわゆる時価。
なのでその場では金額が分かりません。後で漁港の口座から引き落とされる近代的なシステム。
顔見知りしかいないので目方を量ってもらっても誰とも聞かれないのです。
最初来た時はどうしていいのか全く分かりませんでしたが、慣れるとなかなか便利です。
一般の人が来ても現金で買えるという話を聞いた気もします。興味ある方は是非トライしてみてはいかがでしょう。
それにしても、この日買った鯛はいったいいくらになったのだろうか・・。



聞き書き にっぽんの漁師
塩野米松




2011年12月11日

幸江さんのカップ

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doppoの新商品のご案内です。

藤井幸江さん作、子供用の青白磁点文両手付きカップ
うちの子も指が動くようになったくらいから愛用している一品です。
両手の親指でとにかく持ちやすいらしく、一度握ったら離しません。
すべてが丸みを帯びた形状なので子供が扱うにも安全で、落としても欠けたり、割れたりすることが少ないです。
(少なくともうちでは子供が何度投げつけても今のところ割れていません・・他の陶器は割りまくっておりますが。)

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こちらは落ち着いた大人用。
白の色合いがとても綺麗な白釉カップです。
持ちやすくてかたちもとてもいい感じ。

どちらもおすすめですよ。


2011年11月 7日

森の窓

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木製サッシを作るメーカー森の窓に行ってきました。
場所は宝達志水町の山の中、先日の金森鉄工さんといい、近場でも面白い会社がいろいろあるものです。

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森の窓では30年前からヨーロッパ方式のガスケットを使った本格的な木製サッシを製作しているそうです。こちらはノルウェーでよく見られる横辷り反転窓、目的に会わせた換気ができ、掃除やメンテナンスも容易に行えるそうです。

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驚いたのは材料に地元の能登ヒバを採用していること、地元の原木市場で丸太を買い付け、提携する製材所で加工しているそうです。能登ヒバはかなり暴れる木なのですが、一度板に挽いたものを集成化して枠材に加工することで歪みを抑え、能登ヒバの強みである素材が堅くて水に強いということを活かしているのだそうです。
ほとんどが自社で加工しているため、寸法はほぼオーダーメイド。
またしても採算がとれるのかと勝手な心配をしてしまう・・

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ドイツから輸入したという、木屑を圧縮して固形燃料にする機械。
缶詰の形の燃料がコロコロでてきています。
面白いものは何でも採用するという社長の姿勢が見て取れます。
ちなみにサッシの金具等もドイツ製や北欧製を採用しているそうです。


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工場の後、改築中の自宅まで詳しく案内して頂いた山本社長。
お宅は築300年は超えて建つ民家にお住まいでした。
なぜ能登からヨーロッパの窓に目を向けてそれを作ろうとしたのか、は聞きそびれてしまいましたが・・。



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